fonfon編集部から

名古屋在住のフルーティスト、岡本美登里さんのエッセイです。

2012年のショーロツアーに参加し、現地の教授から直接ショーロを習ったという経験が、その後の岡本さんにどんな影響を与えましたか?という質問に、この様なかたちで答えてくれました。

2014 Jan





Rio de Janeiro

*当時の岡本さんの日記がここでみられます。(編集部)
(⇒岡本美登里の2012年5月のブラジル日記へ

2012年春、カバキーニョ奏者のだいどうじさんが企画された日本からの第一回ブラジルショーロツアーに参加したときのことを、帰ってきた感動そのままmixiに掲載したものです。日記として書いたものなので、軽い表現になっていますがご了承ください。(岡本)






「2年経って・・・」





第1回のブラジルショーロツアーに参加してから、もうすぐ2年。
帰りの飛行機の中では、本場で演奏できた感動と帰りたくない気持ちがいっぱいで涙が止まらなかったことを、今でもはっきり覚えています。

ショーロに出会い、いつか絶対ブラジルに行きたいと思い続けて6年。
あるショーロ仲間との偶然のつながりで、あっという間に実現したショーロツアー。思っていれば夢は本当に叶うんですね!

以前は日本で演奏していても「これでいいのか?」という思いが常にありましたが、ブラジルで見たこと、感じたこと(音楽も自然も人々の温かさも)、すべての体験が大切な宝物になって今の私を支えています。
まだまだ勉強不足で理解できていないことも多く、自信を持てるまではいきませんが、現地に行って本場のショーロを体感できたことが、明らかに大きな原動力になっていると感じます。

私は何でも頭の中で先にあれこれと考えてしまうタイプなのですが(笑)、『音を聞いて感じることの大切さ、そして音で会話することの楽しさ』を何よりも学んだように思います。

印象深く残ってるのはルシアーナ・ハべーロさんのワークショップ。
私がメロディ吹いてる間中、すい込まれそうなほどの瞳でずっと私の目を見つめていた彼女は、どう会話する?って問いかけ続けてくれているようでした。残念ながらそれに答える余裕は当時ほとんどありませんでしたが。
現在の私は、ほんの少しだけど、アンサンブル(周りの音を聞きながらどう会話するか)を楽しめるようになってきたかな?というところです。
追求すればするほど難しいジャンルですが、可能な限り、ショーロのいろんなリズムの楽しさを表現できればいいな、と思っています。

熊本尚美さん(左)と著者

ショーロに出会っていなければ、何年も中断していたフルートを手にすることも、まして再び人前で演奏するなんてこともなかったでしょう。フルートを吹くことすら怖かったのだから。
その頃習ってたギターの先生にふと洩らした「昔、フルートをやっていた」というひと言で、「それならぴったりのジャンルがあるから、ぜひこれ聞いてみて!」と貸してくれたのがショーロのCD。
それを聞いた瞬間に、あれだけ怖がっていたフルートが吹きたくて吹きたくて…。今までいろんな音楽をやってきた中で、自分が表現してみたいと思っていたことがこのジャンルには全て入っている!
ショーロとの出会いは、私の人生を変える大きな衝撃でした。ご縁というものは、いつどこにあるか本当にわからないものです。

こうして今、ショーロが演奏できること、そしてそれが少しでも多くの方に『ショーロ』を知っていただく機会になれば、とても嬉しいことだと思います。
名古屋でご一緒してるギタリスト2名もショーロツアーに参加していたので、今でもたまに「ブラジル練習会」と称して「これはこうだったかな?」と忘れかけた記憶を辿りながら大好きなショーロを練習しています。そんな時間を共有できるのも、あの経験をした者同士だからこそだと、有難く感じています。

そして何より、このツアーでは熊本尚美さんを始め、とても素晴らしい先生方に教えていただいたこと、だいどうじさかえさんを筆頭に、今なお大切な友人が各地にできたことが私の宝物です。一緒に過ごせた時間があったからこそ、ますますショーロが好きになったのだと思います。
これらの出会いを大切にしながら、この先もショーロを続けていきたいと思っています。

少人数ではありますが、名古屋でもショーロ好き仲間たちでホーダ・ヂ・ショーロを楽しんでいます。名古屋にお越しになる折は下記でホーダも開催していますので、ぜひ、お立ち寄りください。もちろん見学も大歓迎です。


●名古屋ホーダ・ヂ・ショーロ●

店主ゼジさんのご好意で、円頓寺商店街にあるサンバタウンにて開催しています。
基本的に月2回(第1日曜日のお昼間と、第3日曜日の夜)ですが、お店の都合で日程が変更の場合もありますので、ご興味のある方は詳細を以下にお尋ねくださいね。

Brasilian Music Bar SAMBATOWN
http://sambatown.jp/
TEL 052-485-8199
(注:サンバタウンは閉店しました)



日本全国にショーロを好きな仲間が少しでも増えることを願いつつ…そして、どこへ行っても共通のショーロ言語で、音の会話ができるホーダという場所があることに心から感謝して。
いつかどこかでお会いできることを、楽しみにしています。


名古屋のショーロ仲間
岡本美登里


2014 01 31

写真は著者より

岡本美登里

名古屋市在住。幼少よりピアノ、中学よりフルート始め、高校で音楽科フルート専攻。
ピアノ調律師、ヤマハPMSフルート科講師の経歴を持ち、ホテルラウンジやイベント等で演奏。
現在はショーロ、サンバ、ボサノバ中心に東海地方で活動中。