サチロ・ビリャール

サチロ・ビリャール Sátyro Lopes de Alcântara Bilhar
1869 (セアラ)ー 1927 (リオデジャネイロ)

作曲家、ギタリスト兼歌手。セアラ州時代での事はあまり伝わっていません。

サチロはカリオカ通り(Rua da Carioca)やアセンブレイア通り(Rua da Assemblea)の楽器店で開かれていたホーダ・デ・ショーロの常連で、ボヘミアンのカツロ・ダ・パイション・セラレンセ(Catulo da Paixao Cearense)、ヴィラ=ロボス、ドンガ(Donga)、ジョン・ペルアンブッコ、キンカデス・デ・ラランジェイラ(Quincas de Laranjeira)の仲間です。

一つの録音も残しておらず、生涯を通してアマチュアの音楽家でした。
「オ・ショーロ(邦題 ショーロはこうして誕生した)」の著者アニマルによると、「ブラジル中央鉄道の電報係主任。40年間勤め上げ一度も欠勤したことがない。少しどもっていたけれど、魅力的な話し方をした」と描写されています。女性にもモテたようですが真相は分かりません。亡くなったときには「サウダーデ」を仲間たちに残したと記されています。

彼は19世紀終わりから20世紀初頭、まだギターの演奏法が確立されていなかった頃に現れたパイオニアの一人に数えられます。
ドンガによれば彼は2-3曲しか作らず、いつもそれを手を変え品を変え繰り返し演奏していたとのことです。その一つがチラ・ポエイラ(Tira Poeira)でジャコー・ド・バンドリンによりレコード化されたことで今では多くの演奏家がこの曲をはよく取りあげています。

Tira Poeira (Sátiro Bilhar) – Grupo Sem Conversa

参考:O Choro – Reminiscencias dos choroes antigos – 1936 (Alexandre Goncalves Pinto)
ショーロはこうして誕生した
Choroteria Recife
Dicionario Cravo Albin
Uma Encyclopedia Instrumental(musico do Brasil)

ショローンとその時代