片山叔美のエッセイ

「ブラジル浪漫暦話」

片山叔美 私はショーロを歌う

<文:片山叔美>




(12)「世界 水の日」

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みなさんは、「世界 水の日」をご存知ですか?
1992年の国連総会で、3月22日を「世界 水の日」とすることが決議されました。この日は水資源の保全と開発について考えるための日。世界各国でこれに関連する会議やセミナー、展示会等が開かれています。

ブラジルは皆さんご存知の通り、自然豊かで緑、水をはじめ、資源溢れる大地です…
が、実はそれも昔の話!?
近年ブラジル、特にサンパウロでは水が不足しつつあるというのです。そのせいか「世界 水の日」は、大きく取り上げられています。

多くのブラジル人のお母さんたちは、掃除が大好きです。家中、洗剤を撒いてブラシでゴシゴシこすり、水をジャブジャブ流して、と~っても綺麗にします。
窓はもちろん、外壁や庭まで、日本なら大掃除クラスの掃除をかなりマメにやるのです。日本と違い、キッチンは大抵、床に水を流してもいいようになっていますし、洗濯だって3回も4回もすすぎをするのが当たり前だそうで。
ブラジルは暑くて乾燥しているので、掃除をして大量に水を流せば気分は爽快、部屋の温度も下がる。洗剤は日本のものみたいに泡切れが良くないから何度もすすぐ、という事情があるらしいですけど…。
何しろ、ブラジルのお母さんたちはかなりの綺麗好きです。

そんなお母さんたちを悩ますのがここ最近の水不足。雨量が減って貯水池なども枯れ始めているとか。
市や町も、断水をするなど、対策をいろいろ講じているようです。
近所の湖や川が干上がっている様子、水不足を伝えるテレビの映像を見るにつけ、市民の不安はつのります。
メディアは節水を呼びかけたり、その方法を指南したり。「このままでは水が無くなってしまう!」という危機感に駆られ、多くの人が実際に節水を始めています。
綺麗好きなお母さんたちにとって、それは相当なストレスです。洗剤を撒いてブラシでゴシゴシ、仕上げに水をジャーーー! っとワイルドに流したいのを我慢をしているのですから。
中にはどうしても我慢が出来ないお母さんも……
窓と外壁を高圧洗浄機を使って思いっきり洗いだしました!
それを見た隣に住むお母さん
「まあ、何てこと!あの女のせいで水がなくなって生きていけなくなるわ!私たちは我慢をしているのに!」
ビデオカメラを持ってきて
「これをみんなに知らせなければ!」
と、掃除風景をこっそり撮影し、YoutubeやFacebookにアップしてしまいます。
この水不足をきっかけにお隣りとの関係が一挙にヒートアップ!なんてケースも発生しているとか。

それはともかくとして

たとえ一時、水不足が解消したとしても、また、水が豊富な国であっても、水が大切な資源であることに変わりはありません。この地球上で無駄にしていいものなどないはずです。

もう3月。私も石油ストーブを消しましょう…。





ブラジルの1年間の記念日をピックアップして皆さまにお届けしてきました。
私も全く知らない行事が多く、書くために調べたり、ブラジル人に質問したりと、お陰でブラジルの文化について、以前よりもっと広く興味を持つようになりました。
記念日は歴史があるから存在するわけで、ブラジルの歴史を学ぶことにもつながりました。それは歌手である私にとって、歌詞の本当の意味を理解することに通じます。

一般的にブラジルは明るく楽しい国というイメージを持たれています。この連載が、どうしてブラジルは明るく楽しい国だと世界中に思われるようになったのかを考えていただくきっかけに少しでもなったら幸いです。

このような機会を与えてくださったfonfonの貝塚夫妻に深く感謝いたします。読者の皆さま、1年間どうもありがとうございました。

2015年3月18日