片山叔美のエッセイ

「ブラジル浪漫暦話」

片山叔美 私はショーロを歌う




(9)「クリスマスと年越し」



とうとう1年の終わり、12月になりました。
街はクリスマス気分に彩られています。現代ではお坊さんも自宅でクリスマスのホームパーティをやっているなんて話も聞くくらい、すっかり日本に定着した行事です。
若い男女なら、恋人といつもよりリッチなレストランで食事をしたり、プレゼントを期待したり、イブの夜は一緒に過ごして自宅に帰りません!! というようなこともよくあるのではないでしょうか。

でも、これを聞いて「なにそれ!?」と驚くのが、ブラジル人。あんなにも恋愛に燃える国民性なのに。
大方がクリスチャンであるブラジル人にとって25日はイエス・キリストの誕生を祝い感謝する神聖な日。24日に家族や親戚が集まり、夜遅く教会のミサに行き、日をまたいでお祈りをしてクリスマス(Natal)を迎えることも多いそうです。

ブラジルに限らず、世界中のクリスチャンにとって特別に神聖な日だということを忘れてはなりません。とは言え、日本のクリスマスイベントは華やかで楽しいものが多いし、1年を頑張ったご褒美に自分へのプレゼントを買うという(涙ぐましい)女子も結構いたりして、わが国独特の習慣にのって楽しむのもいいかなと思います。

日本ではクリスマスが終わると、街はがらりと年越しモードに変わり、大晦日を迎えます。
「もう見てないよ」なんて言いつつ、実際その時間になると、チラっとでも見てしまう「紅白歌合戦」。もはやこれは日本の歌謡文化であり、尊重すべきものだと思います(私もチラ見族だけど)。「紅白」を見ながら「今年もこれで終わるんだなぁ」と改めて感じる人も多いはず。

そんな「紅白歌合戦」に近い意味合いをもつものがブラジルにもあるのです。
ブラジルの友人いわく
「家で集まった親戚とかと話をしている時、テレビがついてて、自然に視界に入ってるって感じ。毎年これを見ると1年が終わるんだなぁと思うよ」。

それは「Corrida Internacional de São Silvestre(聖シルヴェストリのマラソンレース)」の中継です。
15km程のサンパウロ市内のコースで、その歴史は古く、1925年に始まりました。かつて女性は参加できませんでしたが、世界的に男女平等が叫ばれるようになり、1975年より女性ランナーの公式出場が認めらました。現在では世界各国のランナーがこのマラソンレースにやってくるそうです。

レンズマメ

さて、来年こそ素晴らしい年にしようじゃないか!とお考えの皆さま。
ブラジル式に縁起を担いでみる!?
大晦日に実践すれば幸運をもたらすと言い伝えられている事柄を幾つかご紹介しましょう!

■Sopa de Lentilha(レンズマメのスープ)を食べる。

■カウントダウンの時、ザクロの実を7粒(地域によって数は違う)食べ、その種を紙に包んで財布に入れておくと金運が上がる。

■新しい白い服を着る。白は平和・博愛の象徴で、清らかな新年を迎えることができる。

ザクロの実

■更に服の下には新しい下着(パンツ!)を着用する。その色によって効力が異なる。
・赤)恋愛運UP&強運
・黄)金運・仕事運UP
・オレンジ)人気運UP
・青)平和・安穏。新しく始めることがうまくいく。
・緑)健康運UP
・ピンク)美貌UP
・紫)精神性が高まる。
・黒)名誉と威厳を得られる。

さあ、まっさらな白い服を着て各自の目的に応じた色の下着を身につけたら、海辺のカウントダウンパーティに出かけましょう!!

■カウントダウンの時、波打ち際で海に向かって立ち、7つの波をジャンプして越える。その後、絶対に振り返らずに後ろ向きのまま歩いて戻ると、どんな困難も乗り越えられる強い運をつかめる。(これはバイーア州のカンドンブレというアフリカ系の宗教に由来する言い伝え。)

7つの波

あっ、誰かが波を7つ飛び越えている最中に転びました!びしょびしょです!
わ、見えます、見えます、赤です!!!
白いスカートが水に濡れて透けてしまったのですね!
「あ~、彼女はやっぱり恋愛運上昇を狙っていたわけね」
な~んて、密かな願い事が皆にばれてしまうこともよくあるみたいです(?)。

残念ながら私の住む町には海はありませんが、下着ぐらいは新調できますので、来る大晦日に試してみようと思います。

それでは皆さま、Feliz Natal!!(よいクリスマスを)
そして Feliz Ano Novo!!(よい新年を)

2014年12月17日
写真は著者より